「グローカル(GLOCAL)」は『グローバル(GLOBAL)』と『ローカル(LOCAL)』からの造語です。
国境を越えた地球規模の視野と、草の根の地域の視点で、さまざまな問題を捉えていこうとする考え方」と定義され(大辞林)、端的に言うと「ローカル(地域)とグローバル(世界・国際)をつなぐ」考え方のことです。
これからの社会においては、地域や我が国に根ざしつつグローバルな視野を持って、主体的・対話的に思考・判断し行動できる人材を育成することが必須です。
「地域との関わり」を大きな柱にしつつ、成田空港に近いという特性を生かした教育活動を模索している本校にとって、「グローカル教育」はまさしく実態に適応したものと考え、このテーマを立てました。
本校独自の教育課程として、具体的には、小学校1~6年生において、1・2年生の生活科、3~6年生の外国語活動・外国語及び総合的な学習の時間に替えて「グローカル科(GLOCAL→GL)」を新設しています。
そして「グローカル科」については、2つの視点から、それぞれ2つに整理しています。
(1)「グローカル科」を「ET」と「GLT」の2つに分ける。
〇ET…「E-Time/イータイム」の略で「English Time」の意味です。
日課表においては「ET=イーティー」と示しています。
通常の教育課程でいう「外国語(活動)」に当たります。1~4年生が週1時間、5・6年生が週2時間を充てています。1・2年生は通常の教育課程に1時間を加えています。
〇GLT…「Glo-Time/グロータイム」の略で「Global Time」の意味です。
日課表においては「GLT=ジーエルティー」と示しています。
通常の教育課程で言う「生活科(低学年)」「総合的な学習の時間(中・高学年)」に当たり、1・2年生が週3時間、3~6年生が週2時間を充てています。
(2)「グローカル科」を「ローカル領域・基盤(L)」と「グローバル領域・基盤(G)」の2領域から整理する。
〇ET…グローバル領域(G)をベース(基盤)とする学習活動です。
「英語という「グローバル」な学習内容を通して、低学年では慣れ親しむ学習活動を、そして中学年から高学年に向けて、外国及び外国語の知識や外国語の技能等の育成に重点を置いていきつつ、身の回りの「ローカル」の事象と結び付けながら展開していきます。
〇GLT…ローカル領域(L)をベース(基盤)に、適宜グローバル領域(G)に結び付け、グローカル的資質の素地の育成を図る学習活動です。
低学年では、基本が「ローカル領域(L)」です。身近な人々や社会、自然との関わりの学びを通して、自分を取り巻く身近な地域(ローカル)への意識を高め、それらに自ら関わり働きかけていく主体的な態度を育成します。この学習内容に、地域の住む外国人等と関わったり、外国語を通したコミュニケーションや体験的活動を行ったりする学習活動をできる範囲で付加します。
中・高学年では、「ローカル領域(L)」として、高齢者や障害を持った人々、特色ある活動により地域活性化を推進している人々等、地域の様々な「ヒト・モノ・コト」との関わりを通して、地域(ローカル)への理解や愛着、主体的に思考・判断し行動していこうとする態度を育成します。そして「グローバル領域(G)」として、地域に住む外国人等との交流の機会を持ったり、地域や我が国と世界との結び付きなどを対象にした学習を行ったりします。その中で日本と外国の生活・文化を比較しながら、特性・相違性及び共通性の両観点から、グローバル化社会においてよりよく生きることについて探求していきます。特に、外国人との英語によるコミュニケーション活動の実践場面については、GLTの中で「ETとの連動」した活動として扱います。
(3)「グローカル科」以外の教科における「グローカル教育」
「グローカル科」だけでなく、他教科においても、グローカル的視点を重視・意識して教育課程を見直し、学習活動を構成します。これは既定の教科等の枠組みの改編(特別の教育課程編成)ではなく、学習内容や方法の構成・実施における視点として「グローカル」を重視・意識するということです。
各教科等の学習におけるグローカルに係る内容(ローカル=地域、グローバル=国際・世界)については、グローカルの視点を重視して取り扱うようにします。
いくつか例を挙げてみましょう。
〇社会科
・3年生及び4年生の地域に関わる学習
・6年生の歴史に係る学習
(当時の横芝光地域や千葉県地域、外国とのつながり)
・5年生や6年生国際単元に係る学習(諸外国とのつながり)
〇音楽家
・地域の楽曲の積極的活用
・諸外国の楽曲の理解
〇道徳科
・身近な地域にかかわる資料の積極的活用
・国際理解に関わる内容の積極的展開
(1)「ET」の授業
〇担任と英語講師とのTT(Team Teaching)による授業です。
本年度は日本人の英語講師です。2名の指導者が役割分担をしつつ、子ども達の学年や実態に合わせて、英語をベースに適宜、日本語も交えながら授業を展開しています。慣れるに従い、日本語での会話がとても少なくなってきています。
学年を問わず、歌ったりボディランゲージをしたり、活動的な学習を重視して、「おもしろく、力がつく」学習になるようにしています。
〇低学年は、1週間の中で20分×2回の授業をしています。
1コマの授業緒の前半・後半で2学級がETの授業をしています。低学年の児童の実態から、45分授業だと児童にとって長すぎるという考えから、楽しさの中でより集中して完結する学習効果をねらい、10月からこのスタイルで授業を行っています。
英語講師は1コマの中で2学級に関わるので大忙しです。
ETと組み合わせる0.5コマ分は、国語や算数の授業を行っています。
(2)「GLT」の授業
〇学年での活動、学級での活動を組み合わせて活動しています。
各単元は学年テーマによるものを基本としますが、その進め方として、学年全体で一緒に活動する部分と、学級ごとに活動する部分を組み合わせながら進めています。「学年共通での単元のテーマに基づいて、各学級それぞれにテーマを立てて別々に活動を進めることもあります。
〇6年間を見通したカリキュラムを構成しています。
低学年は生活科で行う学習を基盤にしていますが、中・高学年については、学校として学年テーマを立てています。
・3年生…まちを知る、人を知る(地域理解・福祉)
・4年生…住みよいくらし(防災・防犯・環境)
・5年生…くらしとまちの創造(生産・まちづくり)
・6年生…生きること・はたらくこと・つながること(キャリア・国際理解)